満州国演義

作者が命を賭して・・今こそ読むべし。これほど実資料が織り込まれた小説はない。


文藝春秋10月号、立花隆さんが先の戦争で最も悲惨な作戦と言われる
インパール作戦のことを書いている。
この作戦、ビルマからインドのアッサム州に侵入、
インドの独立をめざすチャンドラ軍と協力して、イギリス軍を叩き、
連合軍と日本軍の勢力図を一気にひっくり返そうという奇策である。


日本軍は兵站補給を無視した作戦を強行・・・ジャングルの中で、
マラリア、腸チフスなど疫病にやられて三個師団8万人の兵士が倒れる。
小径は白骨街道と呼ばれ、日本人の死体がゴロゴロと。


その責任は誰にあるのか。実行部隊の一つの師団を率いた
佐藤幸徳中将は、この作戦に公然と反旗を翻した・・・
日本陸軍の歴史で起きた唯一の命令拒否事件・・・
何でこんな酷い作戦が戦争末期に、この国はどうなっていたのか。


戦後72年。戦争体験者が極端に減り、戦争の悲惨さが忘れられている。
頻繁に隣国からミサイルが発射され、過激な発言が繰り返され・・・
日本政府は全力あげ、国際社会に呼びかけ、必死の対応をしているが・・・

きな臭さは拡大するばかり。この状態を我々はどう考え行動すべきか。
大いに悩むところである。危険な臭いが漂うこの頃・・・
立花氏の一文に触れ・・当時の日本はどうだったのか。
今こそ知るべきではないか。そんな思いを強くする。


先日、若い優秀な経営者諸君と会食した・・・その折に彼らから
最近読んだ本で、読んでみたらと薦める本はあるかと、聞かれ。
私は迷わず・・・単行本で9巻の長編小説だが・・
船戸与一著「満州国演義」を薦めた。


小説だが、膨大な実資料に基づく内容は事実である。
日本人がなぜ、満州国を造ったのか。満州国で何をしてきたのか。
そしてなぜインパール作戦だったのか。読み切るにはかなりのエネルギーがいるが・・
完読すれば、北朝鮮の姿と当時の日本が酷似しているのが・・・
戦争が如何に悲惨かを思い知ることができる。・・Goto



船戸与一氏は癌を患いこの小説を書いた。
そして、完成と同時に亡くなった。
ご冥福を心から祈る。

投稿者: 後藤 日時: 2017年09月22日 05:27


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